私はもともと内科で、糖尿病専門医をしていました。外来でのインシュリン療法取り入れや、糖尿病チーム医療に積極的に取り組んでいました。
さて、GLP-1とG I Pはインクレチンという消化管ホルモンなので、消化器系副作用が多いという特徴があります。最近GIP/GLP-1の合剤もでました。
数年前東京の友人から、
GLP-1ダイエットってどうなの?
と聞かれた時、
美容医療は本来病気の人を対象としたものではなく、副作用リスクのある薬をわざわざ美容目的に使うのは邪道
と説明しました。薬は副作用を上回る効果が期待できる人にのみ使うものと思います。
しかし、「最近流行ってきてるのかな?」と思ったら、急にメディアにも取り上げられるようになりました。急性膵炎などの重大な副作用が出たという報告や、更には糖尿病の患者さんにGLP-1製剤が足りないと言う事態が起こったからです。
実は最近、阿波市の赤池内科でも主人より薬が手に入りにくいと聞きました。とくに合剤のマンジャロは、効果も高いので欲しいが全く手に入らないということです。
このブログを書くにあたって、ネットを調べてみたところ、なんと『オンライン診療可能!』とかの広告とか、「どのクリニックがお安くダイエットができるかというGLP-1ダイエット比較サイト」の存在など、「一体どういうこと?」と、あまりのひどさにビックリしてしまいました。海外で肥満薬として認められているとまるで良いことのように書いてありますが、海外の極度の肥満で寿命に関わるような人と、日本人で痩せてきれいになりたいなと言う人では、何かあったときの後悔は大きさが違うでしょう。
他にも体重を減少させる糖尿病治療薬としてSGLT2阻害薬というのをダイエット目的で使用しているクリニックもあります。この薬も脱水による脳梗塞や尿路感染症などの重大な副作用を引き起こす可能性があり、元内科医で糖尿病専門医であった私としては美容のために使うのは危険だと感じています。
私はずっと「美容はもともとが健康だから、手に入れられる効果とリスクを両天秤にかけていつも考える」ようにしています。
実は同様に、C型肝炎等のように昔は病原体がわからず今なら検査・治療できる事例があり、将来未知の病原体が出たときに後悔する可能性を否定できないプラセンタの注射も行っていません。
また高濃度ビタミンC点滴についても、尿路結石の原因になったり、心臓や腎臓に負担をかけてしまうこともあります。昔から免疫があがるとか、がんの代替医療と言われているが、効果があるとは聞いたことない高濃度ビタミンC点滴も行っていません。
しかし、これは私の考えです。美容クリニックは、院長の考えによって選ぶ治療法も異なります。患者さんは自分に合う美容クリニックを探すのが良いかと思います。フェイシャル治療でも、私はフィラー(ヒアルロン酸注射など異物を注射して膨らませる)や、糸で引っ張ったり、リフトアップ手術は怖いと言うような方にあう治療法選んでいます。
「無理をするわけでなく、表情じわや多少のたるみがあっても、肌が綺麗であれば、自然にきれい。肌が綺麗だと朝鏡を見て元気が出る。いつも大丈夫?ご飯たべてる?と言われたのに、治療したら元気そうねと言われた。」そうなりたいわ!と言う方にむいています。
しかし、自分が歳をとってくると、眼瞼下垂や目の下のたるみ等の軽い手術くらいはしてみたいかも(^^)と思うこともあり、ちょうど娘夫婦が形成外科にすすんだので「勉強しといてね」と言っているところです。若い方のニキビ、ニキビ跡と毛穴の治療、シミの治療は割合簡単だと思います。脱毛も治療法は確立したと思います。
それは気に入ったと思われた方は、どうぞ赤池クリニックに来てくださいね。