「脱毛は機械で決まる!!」そのわけは?No.5
~そもそも、なんで脱毛できるの? その2~

機械の種類:熱破壊式(一点集中式)

大きくわけると熱破壊式の脱毛レーザー(HR)、蓄熱式脱毛レーザー(SHR)があります。

A)熱破壊式(一点集中式)レーザー

簡単に言うと、熱破壊式(一点集中式)は、普通1発のレーザーで毛に熱を与えて、毛根の細胞を熱破壊させます。照射した瞬間に毛包の温度が一挙に上昇して、パチンと輪ゴムで弾かれたような痛みを感じます。

a)冷却装置を考えると
肌の表面にもメラニンがあるにもあるため、ヤケドや色素沈着を防ぐため肌の冷却は重要です。また、痛みを抑えるのにも役立ちます。

熱破壊式レーザーは、冷却が冷風タイプ(ジェントルレーズなど)と、接触型がありますが、接触型冷却(ライトシェアや蓄熱式ソプラノアイスなど)が強力で安定して優秀です。

■冷風式冷却

日本で一般的によく使われているレーザーです。冷却ガスがレーザー光を邪魔するので、冷風はレーザーと同時に出ません。

レーザーが斜めにあたると、近くなった側では出力が強くなり、遠くなった部分では弱くなり、強さにムラが出てしまいます。

支柱(ささえ)が少しでも傾いていると、レーザーと冷却部分ズレてヤケドや色素沈着などのトラブルになりやすいです。また皮膚はカーブを描いているので、レーザーや冷風はムラになりやすく、以上より安定した冷却としては、冷風型冷却は弱いと言えます。

■接触型冷却(コンタクトクーリング)

レーザー照射中に圧迫して冷却しますので、安定して冷却でき確実で強力な冷却装置です。確実な冷却で、細い毛に必要な高出力照射でも肌を守ることができるし、痛みも軽くなります。

■ライトシェアクアトロに搭載された吸引型
さらに、熱破壊式レーザーライトシェアに冷却のいらない、吸引型が登場しました。

吸引されると、メラニンの密度が減り、ターゲットのメラニンまでの距離が近くなるから、冷却なしで低出力で脱毛でき、痛みもほとんどありません。太い毛、うぶ毛にも対応できます。照射のスポットが大変大きく、広い部分も施術時間が早く、ハイスピードです。

ライトシェアクアトロ 吸引型の特徴

◎痛くない
◎著しく速い(ハイスピード)
◎うぶ毛も得意
◎女性の体毛ピッタリ(ワキ1分、背中5分)、うなじも怖くない

b)波長から考えると脱毛に使われる波長は、現在主に3つです。
・アレキサンドライトレーザー(755nm)
・ダイオードレーザー(805nm)
・ヤグレーザー(1064nm)
ですが、最近開発されたのがダイオードレーザーの1060nmが加わりました。(深くまで届くダイオードレーザーです)

・メラニンに反応する(吸収率)では、
アレキサンドライト>ダイオード>ヤグやライトシェア・クアトロの新波長です。

吸収率が良いほど、よくメラニンに反応しますが、毛だけでなく肌にもメラニンがあり、出力上げすぎたり、色黒肌などは肌に反応しすぎてヤケドや色素沈着の原因になります。もちろん冷却との兼ね合いも関係します。

・深達度(届く深さ)
しかし、レーザーの深く届くかどうか(深達度)は
ヤグ、ライトシェア・クアトロやダイオードレーザー新波長>ダイオード>アレキサンドライトの順です。

◎以上より、メラニンへの反応(吸収率)と、レーザーの届く深さ(深達度)から考えて、脱毛レーザーの波長は、ダイオードレーザーが一番バランスが良く脱毛に向いているといえます。

つまりダイオードレーザーだと、太い毛から細い毛まで脱毛できます。女性の顔でもVIOでも全身できます。さらにダイオードレーザーに波長1060nmも加わった機種(ライトシェアクアトロ)が開発され、根深い男性のヒゲや色黒肌、日焼け肌も安全に脱毛しやすくなりました。

アレキサンドライトレーザーだと、波長から考えて、皮膚の深いところに届かないのです。冷却が弱い冷風型が多いこともあり、「色黒の肌や、細い毛、深い毛」に無理して出力を上げると表面の肌のメラニンに反応しやすく、ヤケドや色素沈着を起こしやすいということです。

つまり、色黒肌やくすみのあるワキ、男性のヒゲ、女性の顔、うなじ、うでや脚・背中・VIOなどの細い毛が苦手ということです。もちろん、色の黒くない肌の太い毛は脱毛できます。

女性の顔も一旦焼けて飛ぶので、毛がなくなり色白になったような「お手入れ脱毛」として以前は当院でも行っていましたが、顔の毛を「脱毛する」という点ではなかなかできないし、フェイスラインの硬毛化の問題もあり徐々にやめてしまいました。

ヤグレーザーは、波長が長く深い毛まで届くので、根深い毛もできます。しかし、メラニン吸収率が低いので肌にメラニンが多くても反応しにくいが、逆に脱毛のためには高出力にあげないといけないので、強烈な痛みを感じます。細い毛から太い毛までできますが、ヤグレーザー単独は、痛みのため脱毛には使いにくいと言えます。

古いタイプのレーザーを超えて

*ライトシェアクアトロに従来波長(805nm)に加わった新波長ダイオードレーザー(1060nm)
◎より深いところに届くので、太い毛、根深い毛もOK
 男性のヒゲ脱毛、女性の顔、女性VIO、うなじ、うで、脚の仕上げにピッタリ
◎表皮のメラニンに反応しにくく、色黒肌・年中日焼け肌もOK

*ソプラノアイス・プラチナム(次回紹介する蓄熱式レーザーです)
◎アレキサンドライト、ダイオード、ヤグレーザーの3波長同時照射で、波長から考えて1台3役
◎毛の太さ、細さや根深さや、肌の表面の色に関わらず脱毛が可能

レーザーの波長の面でも、進化しているといえます。

次は蓄熱式レーザーへと続きます。長くてすみません。

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