トレチノインゲル(レチノイン酸)とはビタミンAのことです。表皮の深い層にあるメラニン色素を外に出してしまう働きを持っています。トレチノインは表皮の細胞を活発に増殖させるために、表皮の細胞はどんどん押し上げられていき、そのときにメラニン色素を一緒に持って上がっていき、2ないし4週間でメラニン色素を外に出してしまいます。これがトレチノインの特徴です。本治療では、この期間ずっと、強い漂白剤であるハイドロキノンを作用させて、メラノサイトに新しいメラニンを作らせなくしておきます。そうすると結果的に、表皮はメラニン色素の少ない、きれいな新しい皮膚に置き換えられることになります。
●トレチノイン(レチノイン酸)とは?
トレチノインとはビタミンA(レチノール)の誘導体です。
トレチノインの皮膚に対する作用には以下のようなものがあります。
1. 角質をはがす。
2. 表皮の細胞をどんどん分裂させ、皮膚の再生を促します。
3. 皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑えます。
4. 真皮でもコラーゲンの分泌を高め、長期的には皮膚の張り、小じわの改善をもたらします。
5. 表皮内でのヒアルロン酸などの粘液性物質の分泌を高め、皮膚をみずみずしくします。
このトレチノインは、誰でも血液中にごく微量流れているものですから、抗原抗体反応を起こしたり、アレルギー反応を起こすことはありません。
●ハイドロキノンて何?
ハイドロキノンはメラニン合性酵素であるチロジナーゼの阻害剤であり、さらにメラニン色素を作るメラノサイトに対して細胞毒性があります。すなわち、しみの原因であるメラニン色素を作らせなくする漂白剤です。 |