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  5. 日焼け止め

1)SPFとPA

サンスクリーン剤の性能は、SPF(Sun protection Factor)とPA(protection Grade of UVA)という値が用いられています。SPFは紫外線B波(UVB)を浴びて出来る肌の赤みを基準にして決め、紫外線B波に対する効果を表しています。2~50まで表されています。

一方、紫外線A波(UVA)については紫外線照射直後からメラニンの酸化で起こる反応を指標として決めています。PA(Protection Grade of UVA)は、PA+:UVA防止効果がある、PA++:UVA防止効果がかなりある、PA+++:UVA防止効果が非常にある、という意味です。

2)SPF値の勘違い!量の問題

SPF値が高いほど紫外線B波(UVB) の防止効果が高くなります。例えばSPF50というと、何も塗らない状態に比べて50倍日焼けしにくいということで、イメージ的にはほとんど日焼けしまいと思ってしまいます。

しかし、SPF値を決めるときの塗り方は、実は実際に女性が塗る量(顔にパール2個程度)の5倍くらいと言われています。つまり、ファンデーションが浮いてぬれないほど、普段の5倍の量の日焼け止めを塗らないとその期待通りの効果はでないということです。

3)SPF20とSPF50も効果はそんなに違わない?

実は、SPF15以上では、SPF20だろうと50だろうと効果はそんなに違いません。例えばSPF2では紫外線透過量が約50%であるのに、SPF4では約25%、SPF8では約15%、SPF15では約10%、SPF30では約5%以下となります。SPF15以上になれば紫外線透過量は10%以下となり大きな差はなくなるので、日常生活ではこれで充分です。ただし、50など、強めのモノはスポーツ用やリゾート用なので、耐水性が強いなどの違いがあります。

4)重要なのは、TPO(時と場所)です。

ポイントは、日焼け止めの使い分けです。海や山へ行くときには強いものが必要ですが、日常生活で光老化を避けるためならSPF15程度で充分です。
・日常生活では、肌に優しいSPF低め15までで充分
・プールや海、山登りの時はSPF高めの30~50のものをその時だけ使用
SPFが高くなっても効果の頭うちですが、紫外線防止剤などの化合物の副作用は一直線に増えます。つまり、SPFが高くなっても紫外線防止効果はそれほど期待出来ないのに、高濃度の化合物による肌荒れが心配になるからです。したがって、毎日SPF50の日焼け止めを塗るなんて大間違いで、お肌を傷めてしまいます。日常生活用と、レジャー用は使い分けましょう。

5)効果的な塗り方

SPFの値を過信しないようにしましょう。量が少ないと効果が落ちます。特に海など紫外線の強い場所で長時間過ごすときは充分量を塗ることが大切です。塗り方のポイントは重ねづけです。全体にのばしたあと、頬や鼻などの高い部分は重ねづけが必要です。

6)日焼け止めの成分は?

紫外線防止剤には、紫外線の一部を吸収する吸収剤と紫外線を反射する散乱剤があります。これらが単独あるいは組み合わせて用いられています。
・紫外線吸収剤…UVB領域の紫外線をよく吸収しますが、UVAを効果的に吸収する成分は限られている状況です。吸収剤は化学物質なので、かぶれを起こすことがあるので、あわない方は「ノンケミカル」とか「吸収剤未使用」などと表示されている散乱剤だけの製品を使ってみると良いでしょう。

・紫外線散乱剤…散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛が主体で、ほとんど全ての紫外線及び可視光線を反射散乱します。また、以前は塗ると白くなる製品が多かったのですが、最近では改善され白くならないものが増えています。

・ノンケミカル…紫外線吸収剤を含まない日焼け止めという意味です。肌が弱い方は、ノンケミカルを使う方がおすすめです。

・ウオータープルーフ…シリコンオイルなどを入れて、耐水性を持たせたモノ。汗で崩れないのはよいが、落とすときに肌に負担がかかり肌が傷みやすいので注意。

7)理想の日焼け止めは?

それは肌の外側と内側からのダブルブロックができる日焼け止めです。肌の外側では紫外線防止剤で紫外線をブロック。しかし、100%ブロックはできないので、肌に侵入してきた紫外線により発生する有害な活性酸素を抗酸化物質(ビタミンCやE、フラーレン)でブロック(肌の内側でブロック)。このダブルブロックが理想の日焼け止めですね。

8)子どもに塗ってもいいんですか?

日焼け止め(サンスクリーン剤)を使うというと、お母さんがは「子どもに塗ってもいいんですか?」という疑問があるようです。ところが、一生浴びる紫外線の半分を18歳までに浴びてしまうというデータもあります。紫外線で皮膚の細胞のDNAが傷つきやすい子どもこそ、日焼け止めが必要です。

肌の弱いお子様には、良質の日焼け止めや紫外線吸収剤が入っていない紫外線散乱剤が主成分の無香料、無着色の低刺激性のものが良いでしょう。紫外線散乱剤は紫外線を吸収しないので肌への影響が少なく安全性が高いのです。肌荒れが心配な場合は、腕の内側などで試してから使いましょう。

9)パウダー(粉)

パウダリーファンデーションや白粉は、紫外線を防ぐ効果があります。落とすのにも肌に負担がかからないので、うまく使いましょう。時間の短い外出なら、日焼け止めなしのお粉だけでもSPF20くらいの効果があります。

10)ビタミンA

紫外線のDNA損傷はビタミンAによってブロックされます。ビタミンA配合のクリームを塗ると、SPF20の日焼け止めと同等の効果があると研究でわかってきました。日常的にビタミンAと抗酸化物質配合の化粧品を使うことが一番効果的な紫外線対策といえます。